2014年以来3年ぶりに足を運んだ鈴鹿8耐。
今年も金曜日朝から鈴鹿入りし、丸3日間「8耐」を楽しんできた。
ガレハラにとって3年ぶり、そして原田さん自身にとっては最後の挑戦となる今年の8耐は、トライアウトでの出場権獲得は叶わなかったものの、外国チームの出場辞退により主催者推薦枠での出場が急遽決まった。しかし原田さんにその通知が届いたのが全日本もてぎRd.の真っ最中、あまりにも短い準備期間に原田さんも喜ぶと云うよりも「決まったかぁ...。」と苦笑いしていたことを思い出す。
8耐ウィークに入り、ガレハラは決してムリをせず最下位ながらも着実に予選をクリアし日曜日の決勝を迎えた。スタートライダーは第2ライダーの田中さんが担当、スタートからムリをせず序盤のラップを重ねていく。ところが、スタートから17分後の11:47に想定外のピットイン、一度ピットアウトするものの再びピットインしてしまう。様子がおかしいと慌てて4番ピットに戻ると、エンジン周りに致命的なトラブルが生じてしまった様子だった。
エンジン担当のスタッフがエンジンをバラして状態をチェックするが、この状態では走行できない=リタイアしてもおかしくない程のトラブルだったが、原田さんの判断は「修復」、そこからライダーアドバイザーとして鈴鹿入りしていた田中さんも加わりトラブルが生じたエンジンとスペア・エンジンの同時
‘全バラ’ が始まる。
コース上では8耐らしいトップ争いが繰り広げられていたはずだが、4番ピットでは凄まじい勢いでエンジンの全バラが進められていた。ヘッドを開けるとかミッションをバラストかそんな生半可なレベルではなく、腰下まで正に文字通り
‘全バラ’
だ。全バラにより壊れた部品が特定されると、スペアエンジンの部品が移植され、今度は元通り組み上げ直す作業に移行する。
「老兵」ZX-10Rに載せられた ‘ニコイチ’
エンジンが息を吹き返したのはゴールとなる19:30まで1時間半ほど前の17:50頃、レース走行に耐えられる保証の無いエンジンであることは間違いものの、正にガレハラ・スタッフと田中さんの執念とも云える作業でエンジンが甦った。
やがてZX-10Rがピット前に出されると、原田さんがゆっくりとマシンに跨がり、ゴール5分前となったところでゆっくりとピットアウトして行く。その時、ガレハラだけでなく周りのプライベート・チームからも大きな拍手が沸き起こった。
ゴールタイムとなる19:30を迎え、次々とゴールラインを通過するマシンに混じって、原田さんとZX-10Rも無事チェッカーを受けた。
公式リザルト上は、走行時間こそ8:01'01.261と記録されるものの周回数は僅か10周、トラブルが生じる前に中山さんが走った8周と再スタート後に原田さんが走った2周の合計だ。当然ながらこの周回数では規定周回数(トップの75%=162周)を満たせる訳もなく完走扱いにはならなかったが、それでも記録上は8時間を走りきったことに変わりはなく、原田さんの執念の結果だ。
トップ争いは、No.21 YAMAHA FACTORY RACINGが3年連続で優勝、Kawasaki TEAM
GREENが2位、そしてF.C.C. TSR
Hondaが3位に入賞し表彰台に登った。TV中継の中の、まるで別世界のレースとさえ思えるようなそのレースと「同じ土俵」での、ガレハラのわずか10周での最下位でのゴールなんて全く話題にされることはないが、それでも自分は初めてガレハラを本気で応援した2013年と同じくらい感動したし、本当に素晴らしいものを見せてもらった。チームオーナーの原田さんはもちろんだが、今年はそれ以上に、田中さんを含むガレハラ・スタッフのとてつもない頑張りにとても感動させられた。
8耐が終わり少しのんびり...と云うワケにはいかず、3週間後には全日本第6戦が待ち受けている。ガレハラは ‘ニコイチ’
エンジンをもう一度全バラしリビルトしなければならない。
原田さんのブログに「自分にとっておそらく最後となるであろう...」と、含みのある表現が記されている。来年の事なんて何も判らないが、勝手な事を云わせてもらえるならば、8時間をしっかり「走りきる」レースで8耐挑戦を締めくくって欲しいと思う。
しかしその前に
・第6戦 もてぎ2&4
・第7戦 AP2&4
・第8戦 岡山国際
の3戦をしっかり走りきり、出来ればポイントを獲得して最終戦鈴鹿を走る姿を見せて欲しいと願うばかりだ。
なんにしても「原田さん、ガレハラスタッフのみなさん、本当にお疲れさまでした!!」
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