今回のような‘非接触事故’は「狼狽事故」と云うらしい。
「驚愕事故」「誘因事故」とも云うそうだけど、実際に衝突や接触等が無いにもかかわらず相手を驚かせたことが原因で起きる事故のことだそうだ。
相手方は間違いなく「100%加害者(こちら)側の過失」と言い張ることは容易に想像できる。
こっちもそれは仕方ないと思っていた、最初のうちはね。
だけど時間が経って少し気持ちが落ち着いてきたら、どうも納得がいかない気がして、「狼狽事故」について検索してみた。
するとどうやら、同じようなケースはやっぱりそれなりにあるみたいだ。ただし多くは被害者側の視点だけれど。
保険会社の担当の人も云っていたけど、この手の事故の過失割合は概ね85:15らしい。状況によっては割合が変わったりすることもあるらしいけど、今回の場合はこちらには何の被害も無いから、割合が80:20だろうが70:30だろうが何の差も生じないはずだ。相手側は補償が減ってしまうわけだからおもしろくないだろうしこちらの過失を訴え続けるだろうけど。
相手方は既に警察に診断書を提出したそうだ。両膝の打撲と掌の擦り傷程度で全治2週間らしい。これで正式に人身事故扱いになる。
それから、相手方は
「交差点で止まっていたのに急に右折を始めた」
→普通に右折しようとゆっくり進んでいたから停まっていない。
「こちらが土下座して謝った」
→「大丈夫ですか、申し訳ありません」と相手の前に座って云ったけどそれを土下座と云うかなぁ?
「責任は全てこちら(=オレのこと)にあるので全てこちらで償うと云った」
→全てこちらでなんてそこまで明言してないしそんな事云う余裕もないけど。
みたいな事を云っているらしい。(保険会社の担当者談)
言いたい放題だな...。
「アンタが勝手に急ブレーキかけて自爆しただけだろ?」と云うつもりはないけど、現場での大げさな態度を含めてクレーマーか?と思ってしまう。
確かに、被害者の立場にしてみればクルマが目の前に飛び出してきたのに驚いて転んでしまったワケで、それは事実だから「テメェのせいだ!」と云われても仕方ないとは思ってるけど、あまりにも大人気ない態度をされると、ね...。
そんなワケで、クレーマーおやじに誠意もヘッタクレもあるか、ケガも結局大した事無かったし、後はもう金で解決できるならそれで良いよ、いつまでもくだらない態度にダラダラ振り回されたくないし、低次元な言い合いをしたくもない。
だから、保険会社の担当の方には「揉めたくないので」とこちらの意志を伝え、後は全て任せることにした。
後は自分の処分が気になるところだ。
まずは交通違反、これは「交差点安全進行義務違反」で2点加点+9千円の反則金らしい。
これは、信号無視等明らかな違反が無く事故を起こしたときのみ適用される違反とのことだ。
これに、人身事故に伴う刑事処分が科せられるらしい。
「専らの原因で治療期間15日未満の軽傷事故又は(後略)」が、3点加点+20〜30万円の罰金刑が科せられる。
「え。マジで...?」
確かに、自分の前方不注意がそもそものきっかけだから仕方ないのは分かってるけど、それでもこの罰金刑は重いよなぁ...。でも、過失とは云え人身事故で相手に被害を与えてしまったのだから、それだけ責任が重いと云うことを改めて認識させられたのも事実。
その一方で、
「事故を起こした後(2〜3ヶ月後)に検察庁から事故に関する出頭養成があった場合は、刑事処分が科せられる可能性が極めて高いと考えられる。」
「逆を返せば検察庁からの出頭要請がなければ起訴するための事情聴取は必要ない、結果として起訴猶予(刑事処分は科せられない)と云うことになる。一般的に事故を起こしてから半年以上出頭要請がなければほぼ大丈夫と判断して良い。」
「相手にも責任があると認められた場合は行政処分だけの処分、つまり刑事処分は起訴猶予となる場合が多い。
(参照:http://rules.rjq.jp/jinshin.html)
「傷害の刑事事件として起訴されるのは大体被害者の傷害が全治2週間(平成10年4月頃からこれが3週間になったようです。)を超える場合です。」
等、検索を続けていると、今回のようなケース(相手の程度)で起訴/罰金刑になることはどうやらほぼ無さそうだ。確実に安心できるわけじゃないけど、少しだけ安堵...。
となると、反則金の1千円よりも合計5点の加点が痛い。
些細な違反...シートベルトとか駐禁とかでも累積6点を超えて免停になってしまう。違反をしなきゃ何の不都合も無いんだけど、心理的にね...。
このところ、なんとなく自分自身に落ち着きが無かったと云うか、それは判っていた事で、こんな時に限って自業自得とも云える‘しっぺ返し’があるんだよなぁ...と思っていたら、「これかよ?」みたいな。
今までも何度ため息をついてきたことか...。
事故で落ち込むと云うよりも、自分自身の不甲斐なさに落ち込む...。
でも、よぉ〜く考えてみたら「狼狽事故」で済んだだけで良かった。相手方のケガも大げさな打撲程度で済んだわけだし。
あと少しこちらが前(右)に出ていたら間違いなくぶつかっていただろうし、そうなったら打撲じゃ済まなかったはずだから。
そんな風に考えたら少しだけ気が晴れる...と云うにはもう少し時間がかかりそうだ。
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